車のことをもっと知れば、もっと車を好きになれる

雑記

手をかけるとクルマはもっと楽しくなる

私は今まで色々なクルマに乗ってきましたが、思い起こすとその中でもすごく苦労させられた、つまり手をかけたクルマほど楽しかったように感じます。

今回はそんな苦労話を書こうと思います。

現代のクルマではまずありえない事ばかりですが、苦労させられたけれども、手を掛けるほど愛しくなってくるってことを知っていただければと幸いです。

 

一風変わったクルマに乗った友人達

私が20代の頃、周囲には変わったクルマに乗っている友人が多くいました。

フェアレディSRやS6、ヨタ8、MGミジェットなどのオープンカーに乗っている奴ら、羽根のようなデザインが施されたインパラなどの大きなアメ車に乗っている奴ら、走るシーラカンスと呼ばれた三菱のデボネアをアメ車っぽく仕上げている奴らもいました。

これらの車は当時でもすでに古く、レストアや修理しなければ乗っていられないものばかりです。

最近あいつのクルマ見ないなぁって思って聞いてみると、ほとんどの場合が修理中でした。

 

カルマンギアタイプ3

その当時、私が乗っていたのがフォルクスワーゲンのカルマンギア タイプ3です。

埼玉県にあるフォルクスワーゲン専門ショップ「ボブ-コーポレーション」で販売されていた車両が当時の私のクルマとそっくりでしたので、画像の掲載許可をいただきました。

http://www.v-w.co.jp/index.htm

 

カルマンギアはビートルと基本構造が同じで、私のものは1600ccの空冷水平対向4気筒エンジンをリアに搭載したRR車です。

当時でも非常に珍しく、私自身も街中で一度もお目にかかったことはありません。

もちろんクーラー(エアコンではありません)なんて付いていません。

ヒーターはありましたが、温風を送るのにもファンなどを用いず、走る時に取り入れるエンジン冷却風を室内に送り込む方法がとられていました。

ビートルと同様に、タイヤが15インチと大径だったおかげで加速はイマイチでしたが、一度走り出してしまうと高速道路でも他のクルマと同じ速度で巡航できました。

ビートルと基本構造は同じですから、エンジンなどのパーツ類はビートルのものを流用できるものが多いのですが、デザインは全く異なるために外装パーツ類は壊してしまうとほとんど修復不可能だったと思います。

 

決して快適とは言えない装備

このクルマは当時の彼女、つまり今のカミさんがすごく気に入ってくれていました。

私もすごく気に入っており、普段の足としても使っていました。

しかし、ちょい乗りでは何も不具合は起きないのに、旅行や長距離ドライブに乗って行った時に限って問題が起こるのです。

 

真冬に温泉に行こうと、わざわざ山の中にあるひなびた温泉地に旅行に行った時のことです。

真冬ですから、ヒーターを入れないと車中は寒いです。

ヒーターはシフトレバーの横にある小さなレバーを動かすと温風が足元から吹き出すようになっていました。

 

この温風は、走行時にエンジン側で冷却のために取り入れた空気をエンジンの熱で暖め、取り入れた空気の勢いで車内に送られるようになっています。

すなわちファンが付いているわけではなく、走行風を上手く利用しているわけです。

空冷エンジンの利点を活かした構造のように思いますよね。

 

しかし走っている速度が速いと風も勢いよく取り込めますが、走る速度が遅くなると、あまり風が取り込めません。

つまり高速道路では暑くなりすぎ、一般道では全然暖かくないんです。

そのため足元にある温風の吹き出し口にはスライド式のフタが付いており、このフタの開け具合で温風の出る量を調整するようになっていました。

これは結局、フタの開け具合を自分で頻繁に調整しなければならないってわけです。

 

また温泉地は雪が降る場所だったので、途中から雪がガンガン降っている中を走ることになります。

当然ワイパーを動かしながら走るのですが、ワイパーでどけた雪がフロントガラスの右端と下部分にどんどん溜まっていきます。

高速走行していればデフロスターからそれなりの温風が出て効果もあるのですが、渋滞気味の雪道では温風がほとんど吹き出さないため、雪が解けないのです。

どんどん雪が溜まっていき、そのうちワイパーが少しの範囲しか動かなくなってきました。

しかもボンネット全体に雪が積もっていき、前方が見えなくなってきました。

しかたなく路肩に車を停め、手でボンネットやフロントガラスのや雪をどかして走るということを繰り返していました。

エンジンが後ろにあるからこそボンネットに積もった雪が解けないということもありますが、こんなこと、今のクルマではありえないでしょう。

しかし、この程度であればトラブルとも言えず、古いクルマゆえに味わえる面白さと思うこともできます。

 

笑ってしまったトラブル

別の旅行の時には、高速道路を走っていると、いきなりスピードメーターの針が0から動かなくなったことがありました。

どんなにスピードを上げても、落としてもピクリとも動かないのです。

自分が時速何キロで走っているのか、分からないとすごく怖いです。

周囲のクルマの流れを参考に走るしかありませんし、これでは旅行どころではありません。

とりあえず修理してくれるところを探そうと、すぐに高速道路を降り、当時フォルクスワーゲンを扱っていたヤナセを探して飛び込みました。

見てもらったところ、スピードメーターにつながるワイヤーケーブルが切れているとのことで、修理対応してもらいました。

当時まだ多数走っていたビートルとパーツが適合したのでしょうが、ホッとして旅行を続けたのを覚えています。

 

これ以外にも旅行の道中、大雨になった時にいきなりフロントパネル下から雨水がボタボタと落ちてきたこともありました。

その時はどうしようもできず、ひたすらカミさんと二人でタオルで押さえながら走りました。

二人してゲラゲラ笑いながら必死で押さえていたのを覚えています。

旅行から帰ってすぐに行きつけの修理工場で見てもらうと、フロントガラスのゴムパッキンが劣化しているためと分かりました。

ゴムを総とっかえしてもらって雨漏りもなくなりましたが、旅行の時は大騒動でした。

 

これらのトラブルは、いまだにカミさんと笑い話のネタになっています。

 

古いクルマゆえのトラブルに苦労

もちろん、トラブルは旅行の時ばかりではありません。

夜に運転していた時、突然片方のヘッドライトが切れてしまいました。

カルマンギアのライトはハロゲンではなく、ヘッドライトユニットが一体になったもので、フィラメントが切れると、ユニットごと交換しなければなりません。

しかし私が乗っていた頃はもう既にハロゲンが主流の時代です。

一体型のヘッドライトはもうほとんど流通していません。

そこで今後の整備性を考え、サイズの合うハロゲンランプ(確かマーシャル製だったと記憶しています)を購入し、自分で交換しました。

他にもバックギアがすぐに抜けてしまう症状が出たり、クラッチが滑ってなかなかスピードが上がらなくなってしまったこともあります。

4気筒のうち一つが死んでしまったこともありました。

バッテリーが後部座席の下にあったため、電装パーツを付けるのに、電源を取るのも大変だった記憶があります。

オイル交換やメンテナンス、簡単なチューニングなどは自分でもできましたが、エンジンを下ろしてバラすことまではさすがにできませんでした。

購入して数年の間は修理費もそれほどかかりませんでしたが、しばらくするとエンジンや駆動系のオーバーホール、修理などを繰り返すようになり、一年のうちほとんどが修理工場に入っているって状態になってしまいました。

もちろん、その費用も馬鹿になりません。

 

その後、峠を走ることに目覚めてしまったというのもあって、カルマンギアは手放してしまいました。

 

手をかけるほど楽しいクルマ

しかし今考えると、決して速くもなく、快適とも言えないクルマなのに、どれ程これに乗って出掛けるのが楽しかったことか。

夏は汗だくになるし、冬は温度調整が大変です。

それでもクルマで出掛けるってことが決まった瞬間からワクワクが始まりました。

手がかかったからこそ愛着を感じました。

自分で整備したり、メンテナンスしなければいけないと、ボディの汚れも気になってきます。

自然に洗車やワックスがけなどをやるようになります。

そうなると、もっと自分のクルマが好きになっていきます。

これはカルマンギアだけのことではなく、今まで乗ってきたどのクルマでも同じでした。

また洗車やワックスがけをするようになると、自然と整備やメンテナンスまでやるようになります。

少し手をかけるようになると、色々なことに気が付き、手をかけるようになるのです。

それはクルマへの愛着です。

 

クルマは工業製品ではありますが、運転する人にワクワク感をもたらしてくれるものです。

そして手を掛けてやるほど愛着が湧いてくるものです。

最新の快適装備や先進技術などが用いられていなくても、希少性が高くなくても、高性能車でなくても、クルマは乗る人に楽しみを与えてくれます。

決して単なる移動のための道具ではありません。

自分の出来る範囲でメンテナンスしてやり、キレイにしてやるほど愛しくなってくるのです。

 

私のブログが、クルマを愛しく感じていただけるきっかけになればと思います。

 

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