高速道路や一般国道などではあまりありませんが、生活道路やカーナビに載っていないような細い道などには段差があるところがあります。
そんな段差を通過する際、普通に走っていくといきなりガツンと衝撃が来ます。
別に衝撃があっても危険ってほどのことではないのですが、非常に不快で、助手席に人が乗っていたりするとびっくりされます。
子供が眠っていたりすると身を覚ましてしまうかもしれません。
こんな段差のある場所をスムーズに走り抜ける方法があれば安心だと思いませんか。
段差の衝撃
道路に段差があるにもかかわらずそのまま通過しようとすると、段差を乗り越える際にサスペンションが衝撃を吸収しきれず、ハンドルやボディ全体に乗り越える際のショックが伝わってきます。
これは、サスペンションの性能の問題ではなく、どんな車でも起こりうることです。
もちろん、スポーティーカーのような足回りが硬めにセットされた車の方が衝撃が大きく、柔らかめにセットされている車の方が衝撃は小さくなります。
車の重量がフロントサスペンションに掛かっているとどんな車でも衝撃があるのです。
スピードを落として通過しても同じ
では段差があるから、少しでも衝撃をやわらげようとスピードを落として通過したらどうでしょうか。
普通なら40キロで通過するところを20キロに落として通過するなどの方法です。
こうすると、多少衝撃は小さくなりますが、それでもやはりガツンと来るでしょう。
速度を落として通過することはあまり意味がありません。
車の荷重変化について
段差を乗り越える衝撃を感じないように走るには、車の荷重変化を利用してやる必要があります。
車が静止していたり一定速度で走り続けている場合、そしてブレーキ時やアクセルを踏んだ時の荷重の変化について説明しましょう。
静止もしくは一定速度で走り続けている場合の荷重
車は静止状態もしくは一定速度で走っている時、車種により違いはありますがフロントとリアの両方にほぼ均等状態で重さが掛かっています。
この状態は、フロントサスペンションとリアサスペンションの両方が重さを受けて縮んでいる状態です。
ブレーキを踏んだ時の荷重
ブレーキを踏むと車が前のめりになるのはフロント側に荷重が掛かるからで、ブレーキの掛け具合にもよりますが、フロントサスペンションは縮み、その一方でリアサスペンションは荷重が軽くなるため伸びることになります。
アクセルを踏んだ時の荷重
アクセルを踏むと車の前が浮き気味になるのは、リア側に荷重がかかりリアサスペンションが縮むからですが、その一方でフロント側は荷重が抜け、フロントサスペンションは伸びることになります。
段差の衝撃をやわらげる具体的な方法
段差の衝撃をやわらげるための具体的な走行方法を説明します。
段差を発見したらまずブレーキを軽く踏む
走行中に段差を発見したら、まずブレーキを軽く踏んでください。
完全に停めるようなスピードまで制動をかける必要はありません。
あくまでも軽くブレーキを踏む程度で大丈夫です。
段差の直前でブレーキを離す
段差の直前でブレーキペダルから足を離してください。
段差から遠すぎるところでブレーキを離しても意味がありません。
段差を直前でブレーキペダルから足を離してください。
アクセルを踏んでやや加速しながら段差を乗り越える
段差を乗り越える時には、減速したスピードを元のスピードまで戻すつもりでアクセルを
踏みながら乗り越えてください。
非常に簡単な方法ですが、これで段差を乗り越えれば、ほとんど衝撃を感じることはないはずです。
そしてこれが車の荷重変化を利用した方法なのです。
衝撃を感じない理由
衝撃をやわらげるための各操作方法時の車の荷重変化で説明しましょう。
段差を発見した時のブレーキ操作
ブレーキを軽く踏んでやることで、車は前のめり、つまりフロント荷重になります。
フロントサスペンションは縮み、リアサスペンションが伸びている状態です。
この場合のブレーキは、スピードを落とすことが目的ではありません。
フロントに荷重をかけ、フロントサスペンションを縮ませることが目的です。
段差の直前でブレーキペダルから足を離す
ブレーキペダルから足を離すと、今まで車のフロント側に掛かっていた荷重が一気に減り、リア側に移動します。
つまり縮んでいたフロントサスペンションが一気に元に戻ろうと伸びることになります。
フロントへの荷重が一気に減ったこのタイミングで段差を通過すれば、段差を乗り越える際の衝撃はサスペンションだけで受け止めることができ、衝撃は小さくなるのです。
小さな段差であればここまでの操作だけで衝撃を感じずに乗り越えられるはずです。
アクセルを踏みながら段差を抜ける
段差の高さにもよりますが、高さがある場合にはブレーキを直前で離す操作だけでは衝撃を吸収できないケースもあります。
そのような場合には、直前でブレーキを離すだけの操作でなく、すぐにアクセルで元のスピードまで加速してやることで一層フロント荷重が抜け、リア荷重が強調されます。
それによってフロントサスペンションで衝撃を受け止める許容範囲が大きくできるということになります。
誰にでもできるちょっとした気配り
段差を静かに乗り越えるための操作方法は非常に簡単で、誰にでもできるものです。
これだけの操作でガツンとくる衝撃を感じずにスームズに走り抜けられるのであれば、取り入れない理由は無いでしょう。
自分一人の運転時だけでなく、家族や友人を乗せている時にも非常に有効な方法で、同乗者にも安心して乗ってもらうことができます。
ドライバーなら誰にでもできることなのですから、これはもう自分の車をいたわり、同乗者に気配りをするかしないかの問題と言えるのではないでしょうか。