助手席に友人や奥さん、恋人を乗せてドライブするのは楽しいですよね。
特にお天気のいい日に景色が良い場所をドライブすると、日頃のストレスを発散することができます。
ですが、横に乗っている人が車酔いしたり、運転が乱暴だからもう乗るのは嫌って言われてしまうと、せっかくのドライブも台無しです。
あなた自身は決して乱暴な運転をしているつもりが無くても、助手席に乗っている人には不愉快に感じてしまう運転もあります。
ここではどんな運転をすれば助手席の人が快適なドライブだと感じてくれるのかを説明します。
助手席では車の動きは数倍大きく感じる
ドライバーは自分の意志でアクセルやブレーキを踏み、ハンドルを切ることができるうえ、フットレストやハンドルなど、衝撃や反動などがあっても自分を支えることができるものに常に触れています。
おまけに自分が起こした行動に対して、車がどんな動きをするのかも無意識に身体が理解しています。
それはすなわち、自分がした操作によって起こる動きに対して身構えることができているわけです。
ですが、助手席の人はどうでしょう。
自分では一切車を操作することはできないため、どんな動きや衝撃、反動などが襲ってくるのか、全く予想できません。
またドライバーのようにフットレストやハンドルもありませんので、身体を支えることはできません。
全く無防備な状態なのです。
そのため、ドライバーがこの程度の衝撃や反動なら全然問題ないと思っているものでも、助手席の人にとっては大きな衝撃や反動に感じられてしまうのです。
助手席の人がこの状態を長く受け続けると、普段は車酔いなどしないのに酔ってしまったり、乱暴な運転、恐い運転だと思ってしまいます。
ドライバーは、まず自分が受ける衝撃や反動、急な動きなどは、運転していない人にとっては数倍にも感じるものであることを理解しておく必要があります。
オートマ車は快適運転がしやすい
今のようにオートマ車が大多数を占める以前は、マニュアル車が多く、そんな車の助手席に乗せてもらうと、クラッチミートの際にギクシャクして嫌な思いをしたことがあったのではないでしょうか。
長く車を運転しているはずのタクシードライバーでもクラッチ操作が荒い人が多く、私でさえ車酔いしたことがあります。
本来、クラッチミートは上手くすれば非常にスムーズで、変な反動は一切ありません。
ですがそんなことさえできない、もしくは意識していない人が多かったのです。
オートマ車にはクラッチペダルがありませんから、普通に走っている分にはシフトアップやシフトダウンは全て機械がやってくれ、反動はありません。
クラッチ操作が不要で、アクセルとブレーキ、そしてハンドル操作だけに意識を集中すれば良いのですから、快適な運転はやりやすいはずです。
快適と感じさせる操作のキモ
では具体的にどうすれば助手席の人にスムーズな運転だと感じてもらえるのでしょうか。
そのポイントを挙げてみましょう。
カーブはゆっくりハンドルを切っても曲がれる速度で
急ハンドルを切れば、助手席の人の身体が大きく振られることは誰でも分かるはずです。
急ハンドルを切ることは危険回避時以外、厳禁です。
ハンドルは常にゆっくり切ることを意識してください。
それでは曲がれないと思った方は、カーブを通過する際の速度が速すぎます。
ハンドルをゆっくり切っても十分曲がれる速度まで落としてみてください。
道路は急ハンドルを切らなくても十分曲がれるよう、カーブの大きさと制限時速が設定されているので、問題なく曲がれます。
アクセルはジワッと必要な量だけ踏む
急なアクセル操作をするとドライバーでさえもシートに身体が押し付けられます。
ドライバーは気持ちいいかもしれませんが、助手席の人は加速を楽しむために同乗しているのではありませんし、不快な反動とも感じてしまいます。
また一気にアクセルを踏むと、必ず強くブレーキを踏まなくてはいけなくなります。
その度に助手席の人はその反動を味わうわけです。
それでは快適と感じてもらうことはできません。
アクセルは必要だと思う量までジワッと踏んでいくことです。
そうすれば周りの車の流れに乗れ、しかも強くブレーキを踏むこともありません。
カーブを通過する時も同様です。
カーブを抜けたら一気にアクセルを踏むのではなく、ジワッと踏むようにすればスムーズに走り抜けることができます。
常に数台先を見ながら運転する
ブレーキは強く踏めば身体が前のめりになるほど大きな反動があります。
ドライバーはフットレストやハンドルで身体を支えられますが、助手席にはそんなものはありません。
シートベルトに身体を委ねるしかありません。
無防備な状態です。
急ブレーキでなくても、ブレーキを踏まれる度にガクンと身体が前に持っていかれます。
つまり、なるべくブレーキを踏まないように運転できれば、助手席の人には快適と言えるわけです。
ブレーキを踏まなければ車はもちろん止まりませんが、アクセル操作を上手くすれば、不用意に踏む機会は減らすことができるはずです。
例えば市街地を走っている場合、自車の直前の車だけしか見ていないと、その車がブレーキを踏むと状況が分からないため、必ずブレーキを踏まなくてはいけなくなります。
ですが直前の車だけでなく、一台前、もしくはもう一台前の車の動きやブレーキランプを視界に入れておくと、直前の車がブレーキを踏むかどうか事前に想定できるようになります。
予測できると、車間距離を普通に取っていれば、アクセルを戻すだけで対処できたり、余裕をもってブレーキを踏むことができるようになります。
急なブレーキは必要なくなるわけです。
それ以外にも、直前の車は一瞬ブレーキを踏むけれども、すぐに離すということまで想定できるようになります。
そうなればブレーキを踏まずに、アクセルを戻すだけで対応できるかもしれません。
常に前の車の動きを予測することが急なブレーキ操作を不要にし、助手席の人が快適に感じる運転につながっていくのです。
ブレーキは停車寸前に緩める
例えば信号で停車しようとブレーキを掛ける際、車が完全に停車するまでずっとブレーキを同じ強さで踏んでいると起こる現象がカックンブレーキです。
ブレーキを掛けると車は止まるまでは前のめりになり、完全に止まると今度はカックンと車のフロントが持ち上がります。
この動作は、ブレーキを掛けることで車のフロントに荷重が掛かって、サスペンションが沈み込むこと。
そして止まった瞬間にその荷重が抜け、今度は縮んでいたサスペンションが一気に伸びることによって起こります。
車が停車するたびにこれをやられてしまうと車酔いに弱い人はひとたまりもありません。
このカックンブレーキを治すには、早めにブレーキを掛けて車が前のめりになり過ぎないようにするとともに、完全に停車するギリギリのタイミングでブレーキを緩めてやることで起こらなくできます。
もちろん、早くブレーキを緩めると止まりたいところで止まりませんので、完全に停車する寸前のタイミングを見定めることが重要です。
これがうまくできるようになると、助手席の人は非常に快適だと感じるようになりますので、是非習慣にしておいてください。
なお、車がスッと自然に止まったら今度は動いてしまわないよう、改めてブレーキを踏んでおくようにしましょう。
助手席の人に快適だと感じさせる目安
助手席の人に快適だと感じてもらうには、危険回避時以外にはブレーキやアクセル、ハンドルで急の付く操作をしないことが重要ですが、ドライバーにはそれらがどれほどの反動や衝撃などがあるのか、分かりにくいのが問題です。
助手席の人から文句が出れば分かるでしょうが、言われない限りは分からないでしょう。
そこで目安にしたいのが助手席の人の頭の動きです。
強くブレーキを踏むと頭は前に傾きます。
一気にアクセルを踏めば頭はヘッドレストに倒れます。
ハンドルを一気に切れば、頭は左右に大きく揺さぶられます。
これらはいずれも助手席の人が不快に感じる動きです。
頭の動きがなるべく小さくなるような運転を心掛ければ、快適だと思ってくれるはずです。
目安にしてスムーズな運転を心掛けましょう。
いかがでしょう。
これらができるようになれば、奥さんや恋人はきっとあなたの車の助手席に安心して乗ってくれるはずです。
ドライブそのものが楽しくなり、車をもっと楽しいものと感じてもらえるでしょう。
是非実践してみてください。