クルマを運転していると直射日光が眩しかったり、強い陽射しがビルのガラス面や路面などで反射して眩しく、前方が見えづらい場面が多々あります。
多くのドライバーはサングラスをかけて対処していますが、眩しくて危険なのは裸眼で運転できるドライバーだけではありません。
メガネをかけて運転している方、つまり免許証に「眼鏡等」の条件が記載されている方も、強い陽射しや反射光などが眩しくて危険だと思ったことがあるはずです。
そこで、メガネをかけている方の陽射し対策についてご説明させていただきます。
具体的にはメガネをコンタクトに変えてサングラスをかける、度付きサングラスを作るなどの選択肢もあるでしょうが、手間がかかること、コンタクトが合わない人もいること、コストが高くつくなどの厄介な課題があります。
そこで今回はあくまでも今使用しているメガネをかけたままできる対策として、オーバーサングラスとクリップオンサングラスのどちらが便利で、運転に向いているのかについてご説明しましょう。
それぞれのサングラスの構造的な違い
普段メガネをかけている人が、そのメガネをかけたまま着用できるオーバーサングラスとクリップオンサングラスは、クルマの運転時に使うと考えた場合、構造的な違いがそのまま使いやすさや使いにくさに直結してきます。
そこで、それぞれの構造をご説明しましょう。
オーバーサングラスの構造
オーバーサングラスは、文字通りメガネの上から覆うようにしてかけるサングラスのことです。
形としては以下の画像のようなものが一般的です。
画像引用:Amazon
オーバーサングラスはメガネを覆って着用することが前提になっているため、どうしてもメガネより全体のサイズが大きくなり、なおかつ重ねて着用した時にズレることがないよう、メガネ全体を覆うことができるデザインになっています。
オーバーサングラスのメリットとデメリット
このような構造のオーバーサングラスをクルマの運転の際に着用する場合のメリットとしては、普段かけているメガネを外さずに、そのまま掛けることができるという点が挙げられます。
これは、必要な時にすぐかけることができ、不要な時にはすぐに外せるということでもあります。
一方、デメリットとしては、メガネを完全に覆ってしまわなければならない構造上、どうしても全体重量が重くなってしまいます。
さらに下図のAのように、斜め外側方向に死角ができてしまうことも気がかりです。
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このオーバーサングラスの死角は、メガネのレンズが4カーブと呼ばれる平らに近いものを使っていることによって生じてしまいます。
オーバーサングラスはメガネの外側を覆う構造のため、この死角の部分が急なカーブになってしまうわけです。
この部分をオーバーサングラスのレンズと同じ素材で作っても、カーブが急すぎるため、景色が歪んで見えてしまい、意味がありません。
そこで少しでも死角を失くし、光を取り込む意味でBのように死角をカバーする個所を設けているわけですが、これでもAの死角がなくなるということはありません。
なおオーバーサングラスの種類によっては、Bの部分がフレームと同素材、つまり横方向が全く見えないようにしてあるものもあります。
特に釣りなどで使う場合は横からの光が入らず、前方に集中できるよう、あえてこのような造りにされています。
例えば「オーバーサングラスの構造」の項にある画像のオーバーサングラスは、B部分がフレームと同じ素材のものです。
オーバーサングラスは運転時に使いにくい
オーバーサングラスをドライビング用として考えると、重いということ、そして死角ができてしまうことはマイナス要素となってしまいます。
クルマの運転時には安全確認のため、運転中に顔を左右や斜め後方に向けることもあり、重さでその動きがしづらくなってしまいがちです。
また死角ができてしまうことも、運転時に安全とは言い難いでしょう。
もちろんオーバーサングラスを着用して運転できないことはありませんが、決して運転しやすいものとはいえません。
クリップオンサングラスの構造
クリップオンサングラスは、サングラスレンズをメガネにクリップで挟んで固定する構造のものを指します。
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2枚のレンズだけをクリップで連結した構造になっているため、テンプルと呼ばれる耳に掛ける部分や鼻パッドなどの部品がありません。
またメガネに装着した状態のままで、サングラスレンズのみを跳ね上げることができるようになっているものも多く見受けられます。
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なお、クリップオンサングラスのメガネ適用サイズは、メガネの方が若干でも小さければ視界を十分覆うことができます。
クリップオンサングラスのメリットとデメリット
クリップオンサングラスのメリットは、圧倒的な軽さが挙げられます。
レンズとクリップ部分だけの重さしかないため、メガネに装着したとしても、重いと感じることはないでしょう。
デメリットとしてはメガネに装着するためには、どうしてもメガネを外してから装着するしかないという点が挙げられます。
取り外す時も同様にメガネを外さなくてはならず、面倒に感じるかもしれませんが、跳ね上げができる構造になっているものであれば、瞬時にサングラスレンズを通さない視界を得ることができます。
ただしレンズがクリップ部分だけで固定されているため、強風時の屋外ではレンズ部分がはためいてしまうことがあるようです。
運転時でも使いやすいクリップオンサングラス
クリップオンサングラスは軽く、しかも死角を作ることがないため、初めて使用する人でも違和感なく、安心して運転に集中できるはずです。
強風でレンズ部分がはためいてしまうことは、車内にいる限りはまず起こりえないでしょうし、仮にロードスターなどのオープンカーであっても、走行時の風の巻き込みではためいて困るというようなことはないでしょう。
クリップオンサングラスは、ドライビングサングラスとしての要素を十分に備えているといえます。
まとめ
メガネ着用がクルマを運転する際の条件になっている方は、オーバーサングラスよりも、クリップオンサングラスを選ぶ方が安全で快適に運転ができることをご説明しました。
強い陽射しや反射光を避けるためにわざわざメガネからコンタクトに変えたり、度付きサングラスを作るなどの面倒さもなく、今使っているメガネにそのまま装着できるのがクリップオンサングラスの良さでもあります。
これを機会にクリップオンサングラスに注目されればいかがでしょうか。
なお別記事「メガネ着用ドライバーにおすすめのクリップオンサングラス」では、数多いクリップオンサングラスの中から、運転に向いたものの選び方についてご説明しています。
そちらの記事も参考になさってください。