ドライビング用サングラスの正しい選び方

車を運転している時、陽射しや反射した光がすごく眩しい時があります。

多くの人はバイザーを下げて運転していますが、それでも眩しくてちゃんと前が見えていないことが多いのではないでしょうか。

車を運転していて一番疲れるのが目です。
周囲の状況を正確に把握するために遠くや近くを見続けているため、常に緊張状態にあります。

そんな状態にもかかわらず、眩しさが余計に周囲を見えづらくしてしまうと、より疲れてしまうことは簡単に想像できるでしょう。

目の疲れは首筋や肩の緊張を生み、身体全体にまで及んできます。

眩しさを防止しようとサングラスを掛けて運転すれば裸眼よりも目に入ってくる光が抑えられますが、運転に適したサングラスでなければかえって疲れは増してしまい、危険でもあります。

運転時にサングラスを掛けている人を見かけることもありますが、本当にそれで大丈夫かと思うようなものを掛けている人も多いです。

車を運転する時のサングラス選びについて考えてみましょう。

目次

運転時に目に入ってくる光「紫外線」

車を運転している時、色々な光がドライバーの目に飛び込んできます。

近年最も話題になるのが紫外線です。
紫外線は太陽が発しており、目には見えないために不可視光線と呼ばれています。

紫外線には殺菌効果の他にも日焼け効果があり、目に受け続けるだけでもメラニン色素を放出すると言われています。

またシミやシワ、ソバカスなどだけでなく、皮膚がんや白内障などの原因でもあると言われています。

車を運転していると、フロントガラス越しに紫外線を浴びていることになります。
目に見えないので運転には直接支障はありませんが、決して人体に良いとは言えません。

運転時に目に入ってくる光「雑光」

運転していて眩しいと感じる光を雑光と呼びます。

例えば対向車のフロントガラスに反射している日光、陽射しの照り返しで真っ白になった路面、ビルのガラスに反射している日光など、これらは全て雑光で、ギラツキとも呼ばれています。

雑光は特に眩しく、まともに正視することができないため、運転に支障をきたします。
その状態での運転は、視界が悪いのと同じであり非常に危険です。

また、長く運転を続けると目が疲労し、身体にも影響してきます。

運転に適したサングラスとは?

紫外線から目を守り、雑光がまぶしくなければ良いのであれば、どんなサングラスでも問題ないのでしょうか。

車を運転するという状況は、リゾート地で寝そべっていたり、街中を自分の足で歩いているのとは全く異なるため、サングラスなら何でもいい訳ではありません。

では具体的にどのようなサングラスなら運転に適しているのでしょうか。

紫外線をカットしてくれるもの

UVカットされていないサングラスではそもそも無意味になってしまいます。

紫外線をどれだけ防ぐのかはUVカット率であらわされています。

最近ではUVカット率99%(もしくは紫外線透過率1.0%以下)など、ほとんど紫外線が入らないものが多く販売されていますので、その中から選ぶようにしましょう。

レンズの色が濃すぎないもの

レンズの色が暗いとその分眩しさに耐えられると思いがちですが、そのようなレンズは車の運転には適していません。
道路にはトンネルなど、急に暗くなるシチュエーションがあります。

色の濃いサングラスを掛けて運転している時に急にトンネルに入ると、ヘッドライトを点灯させてもほとんど周囲が見えず、大変危険です。

また濃い色のレンズを通して信号を見ると、色が違って見えてしまいます。
特に緑系や茶系の色の濃いレンズでは全く違った色に見えてしまいます。

違って見える信号の色

濃い茶色のレンズを通して信号を見ると、こんな風に見えてしまいます。

これでは信号を勘違いしてしまいかねず、大変危険です。

濃い色のサングラスは確かにカッコいいです。
実際、車を運転してサングラスを掛けている人は、そのほとんどが濃い色のサングラスを掛けているようです。
ですが、カッコ良くてもドライビング用サングラスとしては適していません。

色の濃さは可視光線透過率で表されており、表示の数字が低いほど目に見える光線を通しにくいことになります。
つまり数字が低いほど色の濃いレンズになります。

ドライビングサングラスの可視光線透過率はおよそ20%から30%程度のものを選ぶのが理想的でしょう。

デザイン的に視界が広いもの

車を運転していて、フロントのピラー部分が死角になって人が歩いているのが見えなかったりしたことはありませんか。

フロントのピラー部分

たったあれだけの幅しかないフロントのピラーでありながら、死角を作ってしまうのです。

サングラスにも同様のことが言えます。

例えば有名なレイバンのウェイファーラーなどはサングラスとしての完成度は高く、私も大好きなサングラスです。
また運転の時に掛けると非常にオシャレに見えます。

ですが視線を横にずらすと太いセルフレームが視界を遮ってしまい、死角を作りかねません。
ウェリントン型の太いセルフレームのサングラスは車のフロントピラーと同様の危険性があるのです。

太いセルフレームサングラス

理想的には顔に沿ってカーブしている、6カーブや8カーブと呼ばれるレンズを使ったスポーツサングラスなら視界が広くて死角を作りにくいでしょう。
またこのレンズは顔に沿って湾曲しているため、顔の側面からの光が入り込みにくくなっています。

スポーツサングラス

ウェリントン型のサングラスなどは4カーブと呼ばれる彎曲の少ないレンズをセットするため、どうしても横から光が入り込みやすい構造になってしまいます。
レンズの内側に光が当たると、反射して光ってしまう現象が起き、見づらくなってしまいます。

これを防ぐため、内側にコーティングしてあるものもありますが、その分高価になってしまいます。

スポーツサングラスのような顔に沿って湾曲した形状を持つサングラスを選ぶ方が現実的でしょう。

レンズに歪みのないもの

安価なサングラスはほとんどがアセテートなどのプラスチックレンズを使っています。
安価なレンズをフレームに無理に入れるとレンズそのものが歪んでしまうケースがあります。

もちろん安価でもしっかり作られたサングラスはありますが、レンズが歪んだサングラスを長時間掛けていると目が疲れたり、頭痛がする場合があります。

これではサングラスを掛けている意味がありませんので、購入の際には注意する必要があります。

できるだけ軽いサングラスが理想的

車の運転時は周囲の状況を正確に把握することが重要になります。
そのため常に視線の移動だけでなく、顔を横向けたり、斜め後方を振り向くなどの動作も必要です。

重いサングラスを掛けているとどうしても違和感を感じてしまい、動作が遅れがちになってしまいます。

それが結果的に事故につながってしまうのではサングラスの意味はありません。
ドライビングサングラスは軽い方が自然な動作ができるのです。

偏光グラスが運転用に最もおススメ

上記の条件を全て満たすものはなかなか難しく、そんなものは無いとおっしゃるかもしれません。

ですが、偏光グラスであればこれらの条件を全て満たしたものがあります。
偏光グラスとは、偏光フィルターを挟み込んだレンズを使ったサングラスのことです。

釣りやスポーツ用として多くの種類があるので、ご存知の方も多いでしょう。

偏光フィルターは、例えるならブラインドのような役目を果たすものです。

自然光だけを通過させ反射光をブロックしてくれるので、運転にもっとも迷惑なギラギラが目に飛び込んでくることがありません。

また偏光グラスが普通のサングラスと比べて有利なのは、ギラギラする反射光をブロックしてくれるために、レンズの色を薄くできるという点です。

もちろん太陽からの直射日光などは通してしまうので、その眩しさを防ぐためにもある程度の濃さは必要ですが、普通のサングラスと比べると圧倒的に薄い色でも眩しさを感じなくなります。

これならいきなりトンネルに入ってしまっても真っ暗で見えないってこともありません。
まさにドライビング用サングラスとして最適だと言えます。

ドライビング用偏光グラスを選ぶ際の注意点

ではドライビング用偏光サングラスを選ぶ際に、どんなことに注意して選べば良いのでしょうか。

釣り用偏光グラスは視界が狭いものがあるので注意

偏光グラスは釣り用に多くの種類が用意されています。

ですが、釣り用としては一級品であっても、運転用に使うと考えると使いにくいものがあります。
それが視界の狭さです。
釣りは自然の中で行うレジャーですから、全方位から光が当たります。

レンズの表側から光が当たるのは問題ありませんが、横から光が当たってレンズの内側が光ってしまうと見えにくくなってしまいます。

また釣りをしている正面に意識を集中しやすいよう、フレームのテンプル部分をわざと幅広にして光が入り込まないようにデザインされたものがあります。

釣り用偏光グラス

これらのデザインは釣り用としては素晴らしいですが、横方向の視界が無くなるために目線だけを動かしても見ることはできません。

顔を横向けないと周りが見えないのでドライビング用としては適していないと言えます。

偏光度が高いものを選ぶ

偏光グラスにどの程度の偏光性能があるかは、偏光度で表示されています。
偏光度は98%以上などの表記で示されており、この数値が高いものほど偏光性能が高いと言えます。

偏光度表記

安価な偏光サングラスの中には偏光度が表示されていないものや、偏光度の低さをカバーするためにわざとレンズの色を濃くしてあるものもあります。

良質な偏光グラスを選ぶべきでしょう。

耐衝撃性のある偏光レンズのものを選びたい

偏光レンズはガラス、プラスチック、アセテートなど色々な材質で作られているものがあります。

それぞれにメリット・デメリットがありますが、ドライビング用偏光グラスに求められるのは見えやすさだけではありません。

万が一の事故の際、レンズが割れてしまうと目に大ケガをする危険性もあり、割れないレンズの偏光グラスを掛けるべきです。

ポリカーボネイト製の偏光レンズなら耐衝撃性が高く、しかも非常に軽くできています。

そもそもポリカーボネイトは警察の盾や防弾窓などにも使われている素材で、耐衝撃性はプラスチックの10倍と言われています。

また素材自体が軽く、レンズも薄く作れるので、ガラスやプラスチックに比べてサングラスそのものを軽く作ることができます。

ドライビング用偏光グラスに最も適したレンズと言えるでしょう。

ドライビング用サングラスの取り扱いについて

これほど効果的なドライビング用サングラスですが、サングラスであるために取り扱いに注意しなくてはいけない点もあります。

車の中に置きっぱなしにしない

ドライビング用サングラスは車を運転している際に利用するものなので、車の中に保管しておくのが便利だと考えるのは当然でしょう。

ダッシュボードの上などにケースに入れないままのサングラスを置いてあるのを見かけることもあります。

しかしながら車内は真夏などには非常に高温になってしまいます。
そんなところにプラスチック製のフレームやレンズのサングラスを保管しておくと、すぐに破損してしまいます。

面倒であっても車内に置きっぱなしにせず、自宅に持って入りましょう。

砂などが付いた状態で拭かない

車の窓を開けて運転していると、サングラスに砂埃などが付着することがあります。
砂埃を取り除くためにメガネクロスで拭いてしまうと、すぐに傷が付いてしまいます。

万が一、砂埃が付いてしまったら、クロスなどで拭くのではなく、真水で洗い流しましょう。
真水で砂埃を洗った後、ティッシュなどで水分を押さえて吸わせ、陰干しで乾燥させるようにしましょう。

油汚れは中性洗剤で洗う

ドライビング用サングラスには顔の油などが付着します。

またレンズを指で触ってしまうと、指紋がくっきりと残る場合があります。

これらはメガネクロスで拭いても取ることはできません。

油汚れや指紋が付いてしまったら、迷わず台所の食器洗い用中性洗剤で洗うことをおススメします。

ドライビング用サングラスの洗浄

まずサングラスを軽く水洗いします。

その後食器洗い用中性洗剤をレンズの表面、裏面、それぞれに一滴落とし、指先で軽く擦ってください。
ブラシなどを使ってはいけません。

指先で隅々まで洗ったら、真水で十分洗剤成分を洗い流してください。

その後、水分はティッシュなどで押さえて吸わせるようにしてから陰干しで乾燥させてください。

この方法なら簡単に汚れを落とすことができます。

正しいドライビング用サングラスを掛け、安全運転でドライブを満喫してください。

今までよりもっとドライブが楽しくなるはずです。

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