クルマで街中を走っていると、どうしてこれほど工事が必要なのかと思うほど道路工事をしています。
そして道路工事が終わったばかりの個所をクルマで走ると、黒い汚れがフェンダー付近にこびりついていた、こんな経験をした人も多いのではないでしょうか。
実はこれがピッチタール汚れです。
このピッチタール汚れは、普通に洗車したのでは取り除くことはできません。
また汚れを放置しておくほど、取り除くのが難しくなってしまいます。
少し前のことになってしまいますが、コーティングを施した私のクルマも工事終了直後の道路を走り、ピッチタールを跳ね上げてしまいました。
しかしどうしてもすぐに除去する時間を作ることができず、10日ほど放置せざるを得ませんでした。
私が10日も放置してしまったピッチタールをどのように除去したのかも含め、ピッチタール汚れ対策についてご説明しましょう。
コーティングを施したクルマのピッチタール除去で悩んでいる方にも是非読んでいただければと思います。
ピッチタール跳ね上げを防ぐのは困難
道路の地下にはガス管や水道管などが埋まっていることも多く、これらを補修するには道路を掘り返さなくてはなりません。
また道路の路面自体が傷んできて、補修している場合もあるでしょう。
その結果、道路工事が頻繁におこなわれることになっています。
道路工事が終わり、アスファルトが敷き詰められたばかりの路面をクルマで走ると、路面の乾いていないタールが小石や砂などと共に跳ね上げられ、クルマのフェンダー付近に黒いシミとなって付着してしまいます。
これがピッチタール汚れです。
ゆっくり走ればピッチタール汚れは跳ね上がりにくくはなるでしょうが、そもそも道路を非常に低速で走ることは周囲の迷惑になってしまいます。
工事がおこなわれている場所を通らないようにすればこんな問題は起きないのでしょうが、現実的にそれも難しいでしょう。
つまりピッチタール汚れから完全にクルマを守ることは非常に難しいということです。
さらに厄介なのは、ピッチタールによる汚れは道路工事現場だけではありません。
真夏の炎天下、猛烈な日差しによって路面のアスファルトが柔らかくなった時にも、同じようにピッチタール汚れが付いてしまうことがあります。
こうなると、ピッチタールで汚れないようにする方法を考えるより、いかに汚れを上手く除去するかを考えるべきだということが分かると思います。
一般的なピッチタール汚れ除去について
ではクルマがピッチタールを跳ね上げ、ボディやフェンダー付近に付着したらどうしたらよいのでしょう。
まずは一般的なピッチタール除去のポイントについてご説明しましょう。
1.なるべく早く対応する
ピッチタールはアスファルトが柔らかい状態の時、つまり舗装工事をしてまだ乾ききっていないためにクルマのフェンダー付近に跳ね上がるわけです。
これはクルマに付いた時にはまだ柔らかいということです。
しかしボディに付着して時間が経つほど乾いていき、硬くなってしまうため、取り除きにくくなります。
つまり、クルマに付着したピッチタールは、なるべく早く除去するのが鉄則ということです。
2.ピッチタールリムーバーで汚れを溶かす
ピッチタールは油系のものがボディにへばりついているのと同じ状態です。
そのため除去の方法としては、油を溶かしてしまう溶剤、つまりリムーバーを使うのが一般的です。
他にもトラップ粘土などで撮る方法もありますが、何度も擦ってしまうことで塗装面にキズを付けてしまう危険性もあります。
ピッチタールリムーバーを使って溶かして除去する方法が安全で確実だといえます。
リムーバーでピッチタールを除去する際のコツとしては、布などでリムーバーを塗布したら、1~2分ほど放置し、しっかりと溶かすことです。
その後、拭き取ればいいのですが、その際にピッチタールが広がってしまった場合には、再度繰り返せばキレイに除去することができます。
3.リムーバー成分を洗い流す
リムーバーでピッチタールを除去したら、必ずその部分はカーシャンプーなどを使って洗い流すようにしましょう。
リムーバーは溶剤であり、そのまま放置しておくと塗装面を痛めかねません。
リムーバー成分をしっかりと洗い流すようにしましょう。
時間経過したコーティング施工車のピッチタール汚れを除去
一般的なピッチタール汚れは上記の方法でキレイに除去することができますが、私のクルマにそのまま当てはめるのにはやや問題があります。
それは、私のクルマにはコーティングを施してあること。
さらにピッチタールが付着してから10日も時間が経過しているということです。
コーティングを施したクルマに溶剤であるピッチタールリムーバーを使うと、おそらくコーティングまで溶かしてしまうでしょう。
そこで、なんとかピッチタールリムーバーを使わずに、もしくは極力小さな範囲で使うようにしてピッチタールを除去できないものかと考えてみました。
ただ、この時は記事にするつもりもなかったので、残念ながら画像を残せていません。
文章とイメージ画像だけでの紹介になってしまいますが、まぎれもない事実のみをご紹介します。
コイン洗車場の高圧洗浄機でかなり除去できた
私のクルマに付いたピッチタールは、やっと時間が作れた10日後、手で触ってみると、カチカチに固まっていました。
そこでコーティングの効果を信じて、まずコイン洗車場の高圧洗浄機を使ってみました。
普段なら近づけない距離まで高圧洗浄機のノズルを近づけてみると、ポロポロと取れるものや、小さくなるものが多く、結果的にフロントフェンダー周辺のピッチタールは全て取ることができました。
しかしリアフェンダー付近のものは高圧洗浄機ではどうしても取ることができず、断念しました。
手持ちのピッチタールリムーバーを使用してみる
高圧洗浄機でも取れなかったリアフェンダー付近のピッチタールは、コーティングが取れてしまうことになっても、やはりリムーバーを使うしかないと考え、以前から使っていた価格の安いリムーバーを持ち出してきました。
ウエスにリムーバーを塗布し、ピッチタールにピンポイントで塗り付けてしばらく放置しましたが、どうやっても全く取れません。
このリムーバーは過去に何度も使い、ピッチタールを除去してきましたが、その時は付着してからそれほど時間を置かずに施行していました。
しかし10日も経過したピッチタールに対しては、全く効果はありませんでした。
新たに購入したピッチタールリムーバーは劇的な効果
以前から使っていたピッチタールリムーバーでは全く歯が立たなかったので、少し前から気になっていた「AUTOGLYM インテンシブ・タール・リムーバー」を購入し、使ってみました。
ウエスに出したリムーバーをピッチタール汚れの部分にピンポイントで塗り付け、しばらく放置後、拭き取ると汚れが小さくなっていました。
そこで、 同じ作業を何度か繰り返すと、全てキレイに除去することができました。
ピッチタールリムーバーにも色々な違いがあることが分かりました。
コーティング施行車のピッチタール除去のポイント
上記のような経験から、コーティングを施行しているクルマのピッチタール除去のポイントをまとめてみました。
・ピッチタール汚れは早く対応
コーティング施工車であっても、ピッチタール汚れは早い時期に対応する方が除去しやすいことを覚えておきましょう
・いきなりリムーバーを使用せず高圧洗浄機を試す
コーティング施工車の場合、高圧洗浄機などの水圧でピッチタール汚れを取り除くことができるケースがあります。
リムーバーはどのような種類のものでも溶剤を使っているため、コーティングへの影響は避けられません。
理想的には使わずに除去できばベストだといえるため、一度は高圧洗浄機を試してみるべきだといえるでしょう。
・リムーバーを使う範囲をなるべく少なく
リムーバーを使う場合、ピッチタールが付着している部分にのみ塗付すれば、コーティングへの影響を少なくすることができるはずです。
汚れている付近全体に塗布するのではなく、ピンポイントでの塗付をおこなってみましょう。
まとめ
私がコーティング施工車に対し、実際におこなったピッチタール除去方法についてご紹介しました。
正直なところ、コイン洗車場の高圧洗浄機にここまでの効果があるとは思っていませんでした。
またピッチタールリムーバーの種類によって、効果に差があることは意外でした。
どれもそれほど大差ないと思っていたからです。
私の経験が、コーティング施工車に乗っている方々の参考になればと思います。