樹液はクルマのボディの大敵

クルマのボディにダメージを与えるとして、多くの人に知られているものに花粉や黄砂、鳥や虫のフンなどがあります。

これらは塗装面に深刻なダメージを与えるだけでなく、見た目にも汚れているのがすぐに分かるので、誰もがすぐにキレイにしようと考えるでしょう。

しかし何かの液体が降り注いだようにしか見えないものの、対処が遅れるとボディに深刻なダメージを与えてしまうのが、樹液のシミです。

樹液がクルマに落ちた時の対処法や放置してしまうとどうなってしまうのか、また樹液被害を避けることはできるのかなど、樹液がクルマにとってどれほど大敵なのかをご説明しようと思います。

特にアウトドアに出かけることの多い春から夏にかけては、樹液被害が多く発生する時期です。

樹液被害への対処法について、是非理解しておくようにしましょう。

目次

樹液についてとクルマへの影響

樹液とは文字通り樹木のキズなどから出る液体のことを指しますが、樹液と聞くと誰もが思い出すのは、カブトムシやクワガタムシなどが集まるコナラやクヌギでしょう。

しかしクルマのボディに樹液を振り撒くのはこれだけはありません。

松やケヤキ、竹、ウルシなど多くの木々からも樹液が出ています。

コナラやクヌギなどの場合は、昆虫によって傷が付けられた個所から樹液がでているようですが、それ以外の木々の場合は、強風で枝が折れたり、木同士が擦れてしまって傷つくことで樹液が出てくるようです。

樹液の染み出し

この樹液は、空気に触れることで次第に粘り気が出てきて、固まってきます。

つまりクルマに落ちてくる時にはそれほど粘り気がないのですが、そのままにしておくと1週間もすれば固まってしまうわけです。

この樹液はクルマの塗装面に付着すると、ワックスやコーティングの被膜では防ぎきれず、塗装内部にまで浸透してきます。

こうなると塗装の色が変色したり、ひび割れが起きるなど、塗装面をボロボロにしてしまう可能性もあるのです。

効果的なのは樹液が落ちない場所に駐車することだが…

樹液は木々から落ちてくるわけですから、樹液被害を受けないようにするには、樹木の真下に駐車しなければ良いと考えるでしょう。

しかし実際はそれほど単純ではありません。

例えばこの春、人気のキャンプに行ったとしましょう。

キャンプ場は自然の中にあるのが普通ですから、周囲には樹木が生い茂っています。

木々の真下は樹液が落ちてくる可能性があるからと、わざわざ木の生えていない場所を探してクルマを駐車しますが、それでも翌日クルマに乗ろうとすると、樹液が落ちていることもあります。

これは風によって樹液が飛ばされてくるから起きる現象です。

すなわち木々が生い茂っている周辺に駐車するということは、その時点で樹液被害にあう可能性があるということを理解しておくべきなのです。

樹液は落ちてすぐなら取り除きやすい

では樹液がクルマに落ちてきたらどうすれば良いのでしょうか。

前述したように、樹液は空気に触れると粘り気が出てきて固まってくるので、クルマに落ちてきた時点では、それほど固まっていないということになります。

すなわち、クルマに落ちて早い段階なら取り除きやすいといえるわけです。

例えば落ちてすぐなら、濡れたウエスやウェットティッシュなどを使って取り除くことができるはずです。

そしてその後、カーシャンプーで洗車してやればキレイになります。

カーシャンプーを使った洗車

そのためには、極力早く対応しなくてはいけません。

キャンプ場で樹液が落ちているのを発見したとすれば、その場でウェットティッシュを使って拭き取り、帰ってからすぐにカーシャンプーで洗車すれば大丈夫なわけです。

樹液が落ちたのに気が付かなかった場合

樹液がクルマに落ちたことにすぐ気が付き、素早く対応すれば何も問題ないのですが、万が一、そのことに気付かず、しばらく放置してしまった場合はどうすれば良いのでしょう。

クルマに樹液が落ちて1週間も経つと、樹液はほぼ固まってしまっているはずです。

こうなってしまうと、とりあえず樹液を溶かしてしまわなければ取り除くことはできません。

ネットで検索してみると、樹液の落ちた個所にウエスを置き、上から80度のお湯を少量掛けて溶かして取り除いた後、タール・ピッチクリーナーやパーツクリーナーなどで細かな汚れを取るという方法が一般的なようです。

ポイントとしては、お湯の温度が80度という点、そして塗装面に直接熱湯を掛けないという2つです。

残念ながら、私自身は樹液が落ちた時でもこの方法を試したことはありません。

知識としてあるのは、クルマのボディに100度近い熱湯をかけてしまうと、塗装面のクリア層を確実に劣化させてしまうということですが、80度ならクリア層を劣化させることはないようです。

また温度が低すぎても樹液は溶けないので、80度という温度設定がキモのようです。

ただ80度でなければならないということは、調理用の温度計などが必要になるということです。

調理用温度計

加えて、クルマの保管場所が自宅ガレージであれば、80度のお湯を用意することも容易でしょうが、マンション暮らしで車庫と離れている場合は厄介です。

その場合にはマグボトルなど保温性のある容器に80度のお湯を入れ、コイン洗車場などにいって作業するしかないでしょう。

80度のお湯でも取り除けない場合は業者に依頼

80度のお湯を使っても樹液が柔らかくならず、どうしても取れないからといって、もっと熱いお湯を使うなどはやめるべきです。

上記の通り、塗装面のクリア層が劣化してしまいます。

無理をせず、専門業者に依頼する方が安心でしょう。

最も確実なのは早めの発見と対応

私がおすすめするのは、樹液が固まる前に取り除いてしまうという方法です。

樹液が固まる前であれば、簡単に取り除くことができるだけでなく、手間もかからないからです。

つまり、いかに早く樹液がおちていることを発見し、どれほど早く対応できるかということが重要というわけです。

そしてもし樹液が落ちていることを発見したら、一刻も早く濡れたウエスやウェットティッシュで拭き取った後、帰宅してからカーシャンプーによる洗車をすれば、面倒な手間をかける必要もありません。

これならクルマにウエスやウェットティッシュを積んでおくだけで対応できるはずです。

お湯の温度を間違えてしまい、塗装面を劣化させる心配もありません。

専門業者に依頼する費用も不要になります。

最も安心で確実なのは、常にクルマへの気配りをしておくことだといえるのではないでしょうか。

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