皆さんはタイヤの空気圧チェックはどのタイミングで行っていますか。
昔、どのガソリンスタンドにも店員さんがいた時代は、「空気圧見ておきます」ってチェックしてくれていたと思います。
「別にパンクしているわけじゃないけど、まあサービスの一種なのかな」程度に思っていたのではないでしょうか。
今はセルフスタンドがほとんどになっているので、空気圧を見てくれる店員さんもおらず、自分でチェックしない限りは誰も見てくれません。
長い間チェックしていない人も多いのではないでしょうか。
実はタイヤの空気圧チェックってすごく大事なメンテナンスなのですが、軽く見られているように思います。
今回はタイヤの空気圧に付いて書こうと思います。
タイヤの空気は少しづつ抜けるもの
車のタイヤはゴムでできています。
どれほど精密に作っても、ゴムからは空気が少しづつ抜け出ていってしまいます。
タイヤの分子より空気の分子の方が小さいため、どうしても抜け出ていきますが、これは防ぎようがありません。
車に乗っても、乗らなくても、空気は必ず抜けていくものであることをまず理解してください。
そしてタイヤの空気圧は、勝手に抜けていってしまった分を定期的に補給しなくてはいけないものだということを知っておいてください。
最近は窒素ガスを充てんする方法もあり、空気と違って抜けにくいことや難燃性という利点もありますが、そこまでシビアになる必要性は低いかと思います。
空気圧が低いまま走り続けるとどうなる
タイヤの空気が抜けてしまい、ペチャンコになっていたとすれば、誰にでも分かるはずですので、その状態のまま走ることはまずないでしょう。
問題は、ペチャンコまでいかないけれども、かなり減っていた場合です。
その状態のまま走り続けると、タイヤが地面に触れている面積が大きくなるため、地面との摩擦によりタイヤの温度が上昇していきます。
ゴムの温度が上がると柔らかくなってしまうのは分かると思いますが、それでもなお走り続けると、タイヤが波打ってしまう状況になり、バーストやホイールから外れるなど、大変危険です。
またこうなってしまうと、そのタイヤはもう使えなくなります。
新品のタイヤを購入しなくてはいけなくなるわけです。
空気圧が低かっただけでタイヤを購入しなくてはいけなくなるなんてバカバカしいですよね。
空気圧が低すぎると、段差を乗り越える際の衝撃を受け止められずに、ホイールが破損することもあります。
空気圧を適正に常に保つようにしましょう。
空気圧メンテナンスを実践するために
では車の空気圧はどうチェックし、どうメンテナンスしていくべきなのでしょうか。
日頃あまりメンテナンスをしない人でも簡単にできてしまうので、是非実行してみてください。
指定空気圧を知っておく
車にはその車に適したタイヤの空気圧が設定されています。
指定空気圧と呼ばれるその車に適した空気圧は、一般的に運転席のドア付近、もしくは給油口の裏側に表示されています。
私の車では給油口の内側にあります。
最近はこの写真のようにKPA(キロパスカル)という単位で表示されている場合が多いですが、昔はkg/㎠で表示されていました。
単位は変わりましたが、数字そのものは小数点の位置が変わった程度ですので、すぐに分かると思います。
なおタイヤを交換して今までと違うメーカーや銘柄になっても、サイズやインチなどを変えない限り、空気圧を変える必要はありません。
高速道路でも指定空気圧より高めにしておく必要はない
高速道路を走る際の空気圧は指定より一割ほど高くした方が良いと言われてきました。
もちろん低い空気圧で高速道路を走るとタイヤが熱を持ち、波打つ現象が出てきて、最悪のケースではバーストなどもあり得ますので、絶対にしてはいけません。
ですが昔より進歩している現在のタイヤでは、指定空気圧さえ守られていれば、高速道路を走り続けても何の問題もありません。
空気圧を指定より高めにするメリットがあるとすれば、多少燃費が良くなるぐらいでしょう。
ドライバーと助手席に一人乗る程度であれば、指定空気圧を守っておけば、どこを走る際にも問題が起きるようなことはありません。
しかし、車に定員いっぱいの人が乗る場合は、たとえ高速道路だけでなく、一般道を走る際にも指定空気圧に一割ほどプラスした空気圧にしておく方が安心と言えるでしょう。
給油の度にチェックするのが理想的
タイヤの空気が自然に抜けていってしまうのであれば、どの程度の頻度で空気圧をチェックすれば良いのでしょうか。
タイヤの空気圧の確認はエアゲージでチェックできますが、一般家庭でわざわざエアゲージを購入してあっても、万が一空気圧が足らなければどうやって補給するのかが問題です。
ガソリンスタンドに行けば据え置き型、もしくは持ち運びできるエアタンク型の空気入れがあり、これらを利用すれば今の空気圧チェックから適正空気圧にすることまでできます。
セルフのガソリンスタンドでも必ず置いてありますので、空気圧チェックは給油の度に行なえばベストです。
もちろん走行距離によっても給油のタイミングは変わります。
私の場合、仕事には使っておらず、あくまでもプライベートで乗るだけです。
その場合で月平均で2回ぐらい、多い場合で3回の給油回数です。
最近はハイブリッドカーなど燃費が良い車が多く、月に一回程度の方がほとんどではないでしょうか。
そんな方なら、給油のタイミングと空気圧のチェックは同時に行なうべきでしょう。
最低でも月に一度のチェックは忘れないでください。
空気圧のチェックと調整方法
セルフガソリンスタンドに多い、持ち運びできるエアタンク型の空気入れを例にして、実際に空気圧をチェックおよび調整する方法を説明します。
キャップはなくさないよう、必ず手に持っていてください。
バルブに垂直に、しっかりと押し付けないと空気が漏れてしまいます。
この目盛りはタイヤに入っている空気圧を表しています。
下の写真の目盛りはおよそ230~240KPAを指しています。
+は空気を補充し、マイナスは空気を抜くスイッチです。
空気圧チェックはタイヤが冷えている時に
タイヤ内の空気は温まると膨張するため、空気圧は高くなります。
つまり、しばらく走った後に空気圧をチェックすると、どうしても高く表示されることになり、正確に計測できません。
本来は駐車している時に空気圧をチェックするのが一番正確なのですが、それには自分の駐車場でエアゲージなどを使ってチェックするしかありません。
それらが無い場合には駐車場から少しでも近く、しかもスピードを出して走らなくても行けるガソリンスタンドなどでチェックするようにして下さい。
空気圧により変化する燃費やフィーリング
自転車に乗ったことのある人なら分かると思いますが、タイヤの空気が少ない状態で自転車を漕いでいると、非常にペダルが重くなり、上り坂でもないのにフウフウいってしまいます。
そんな時のタイヤは、触ると非常に熱くなっているのが分かります。
空気をいっぱいに入れてやると、嘘のようにペダルが軽くなり、やや跳ねるものの軽やかに走れるようになります。
これは車のタイヤでも全く同じです。
車のタイヤの場合、一本当たりの設置面積はハガキ一枚程度と言われています。
空気圧を低くすると設置面積は若干増えるようになります。
一方、空気圧を高くすると、丸く膨らむために設置面積は若干減ることになります。
これらを理解しておけば、燃費を良くしたり、曲がりやすくするなどの応用が利くようになります。
燃費を多少でも改善させる
空気圧を高めにセッティングすると、タイヤは丸みを帯び設置面積は少なくなります。
そのためタイヤが転がる際の抵抗も少なくなるため、エンジンへの負担が少なくなり、燃費が改善されることが分かっています。
もちろん極端に高い空気圧にするのは問題外です。
あまり高くしてしまうと設置面積の低下からグリップ力がなくなってしまうだけでなく、タイヤの中央部だけが減ってしまう等のトラブルにつながります。
空気圧を高めにする場合でも、指定空気圧の10%プラス程度に抑えておくべきです。
また燃費が改善されるとしても、急加速など、ラフなアクセル操作をしてしまえば、改善された燃費分は無くなってしまう程度のものであることも覚えておいてください。
カーブの多い道を走りやすくする
タイヤの空気圧を低めにすると設置面積が増えることから、前輪と後輪の空気圧をわざと変えれば、運転フィーリングの差が表れてきます。
例えば前輪は指定空気圧通りにしておき、後輪だけ指定空気圧の10%プラスにするなどです。
こうすると舵の役目をする前輪の接地面積はそのままで、後輪の接地面積が若干減るため、カーブの際に多少曲がりやすさを感じるようになります。
これは車が多少前のめりの姿勢になることも影響しています。
ただしこの方法は、わざと車のバランスを崩す方法とも言えますので、極端な変化を付けることは危険です。
あくまでも車のフィーリングが空気圧でも変わってしまうことを知り、空気圧の大切さを認識するための一例ですので、後輪の空気圧を高めても10%プラス以内にとどめておいてください。
まとめ
タイヤの空気圧メンテナンスって、実はすごく簡単です。
なのに空気圧のチェックをしない人がすごく多くてびっくりします。
これだけで安心してドライブを楽しめるのであれば、給油の度にやらない理由はないでしょう。
是非実践してみてください。