皆さんは自分の車のボンネットを開けることはありますか。
自分でできる限りのメンテナンスをお勧めしている私としては、定期的にボンネットを開けてチェックして欲しいと思っています。
ボンネットの開け方は誰がやっても同じです。
室内にあるレバーを引いてロックを外し、ボンネットのレバーを押して上にあげるだけです。
ボンネットを開けたまま固定する方法は車によって若干違いますが、それほど大きな問題はないでしょう。
では、エンジンルーム内をチェックしてからボンネットを閉める時、どうやって閉めていますか。
ボンネットの閉め方は人によって様々で、正しい方法を知っている人は多くありません。
間違った閉め方をすると、ボンネットを凹ませてしまう場合もあります。
ここではボンネットを閉める正しい方法とその意味を説明します。
一般的に行なわれているボンネットの閉め方
ボンネットの閉め方には大きく分けると以下の方法があります。
- 手でボンネットを支えながらそっと下し、ロックさせる時に手で押し込む
ガソリンスタンドなどでオイル交換したり、ウォッシャー液を補充してもらった場合にこんな閉め方をしている店員を良く見かけます。
大きな音もしないので、車を丁寧に扱ってくれている印象を受けます。
- 手で支えながら下げていき、完全に閉じる少し前に手を離す
ゆっくりとボンネットを手で支えながら下げていき、完全に閉じる少し手前、およそ20㎝から30㎝の位置で手を離し、落下させて閉じる方法です。
ボンネットを落とした際にやや大きめの音がします。
車のボディの進化
車は重くなればなるほど燃費は悪化し、ブレーキの効きも悪くなり、加速も鈍くなります。
色々な快適装備を付けようとするとどんどん重くなっていきます。
本来、車は軽い方が基本性能は高くなるのですが、その時代的にどうしても欠かせない装備を加えていくと必然的に重くなってしまいます。
しかも時代が要求する装備は増える一方です。
また車が衝突した時の搭乗者の安全性も高めなくてはいけません。
これらの条件を満足させるために、現代の車ではボディ外装を軽くしてことで対応しています。
軽く、すなわち薄くしていっても、必要な強度は維持しなくてはなりません。
そのためにボディパーツ毎の形状で強度を出しています。
例えば丸みを持たせた形状にするなどで強度を出しているのです。
またアルミ製のボンネットやボディの車も増えてきています。
昔の車のように頑丈で分厚い鉄板の車が良いという時代ではなくなってきているのです。
欠点がある、手でロックまで押し込む方法
この方法は静かにボンネットを閉めることができるので、いかにも車を大切に扱っているように感じます。
それ故にガソリンスタンドなどで用いられているのでしょう。
ですが、現代の車のボンネットは非常に薄くできていたり、アルミ製のものまであります。
こんなボンネットを上から手で押すとどうなるでしょう。
簡単に凹んでしまい、鈑金しないと直すことができません。
特にアルミ製のボンネットの場合は注意が必要です。
またボンネットのロックも手で押しただけでは不十分な場合があります。
しっかりロックが掛かっていないと、走行中にボンネットが開いてしまう危険性もあります。
正しいボンネットの閉め方は
現代の車にとって最も正しいボンネットの閉め方は、20㎝~30㎝の高さからボンネットを落として閉めるものです。
この方法なら確実にロックができますので、走行中にボンネットが開く危険もありません。
アルミ製のボンネットであっても、鉄製のボンネットであっても、この方法をとるのが一番確実です。
もちろん閉める際に音がしますので、乱暴に扱っているように感じるかもしれません。
ですが、これが正しい閉め方です。
ディーラーや修理工場、スタンドなどでこのような閉め方をするのは、車のことを正しく理解しているからやっているのだと思ってください。
決して無造作に扱っているのではないのです。
ボンネットダンパー装着車の場合
最近はボンネットを支えるステーの代わりにボンネットダンパーが装着されている車も増えてきました。
国産高級車や欧州車では以前から装着されているものもあり、アフターマーケットでも車種別に設定されたものが販売されているようです。
ボンネットダンパーはボンネットを開ける際、ガスやオイルなどが封入されたダンパーでボンネットを支えるものです。
ボンネットを開ける際に軽く開けられ、ステーを差し込むまで手で押さえておく必要なく保持できます。
また、万が一向かい風が吹いてきてもステーが外れる心配もなく便利なものです。
ボンネットダンパーが装着されている車の場合、ステーで支える車と同じように20㎝~30㎝の高さからボンネットを落としてもしっかり締まらないことがあります。
同じ程度の高さから、やや下に勢いをつけるようにして閉めるとしっかり締まるようになります。
まとめ
最近の車は特に軽量化が進み、一般的な車でもアルミボンネットを採用しているものが増えてきています。
大切な車なのにボンネットの閉め方を間違えただけで凹ませてしまうなんてことは絶対に避けたいです。
車を大切にしたいからこそ、自分でできるメンテナンスをしようとボンネットを開けるのですから、それで修理が必要になると本末転倒ですね。
ボンネットは必ず20㎝~30㎝上から落として閉めてあげるようにしてください。