鉄粉がクルマのボディに及ぼす悪影響は多くの人に知られてきており、鉄粉除去のための粘土やケミカル剤なども多数登場しています。
私自身は戸建てに住んでいた頃にノンコーティング車から現在のガラスコーティング車に乗り換え、その後、今のマンションに引っ越しました。
自宅で自由に水道を使える洗車環境から、コイン洗車場でしか洗車できない環境に変化したわけです。
戸建てに住んでいた時は、ガラスコーティングの有る無しに関わらず鉄粉取り粘土を使っていましたが、マンション暮らしの現在はコイン洗車場で鉄粉除去剤を使って対処しています。
つまりガラスコーティング施工車に鉄粉取り粘土だけでなく、鉄粉除去剤の両方を使ってきているわけですが、コーティング被膜には何も問題なく、現在もクルマはキレイなままです。
ただ、鉄粉取り粘土から鉄粉除去剤に移行したのには理由があります。
またコイン洗車場で鉄粉除去剤を使う時にも工夫していることがあります。
これらについてご説明しようと思います。
使用経験のある鉄粉除去の種類と特徴
私自身が使い、使用方法さえ間違えなければ効果的だと思う鉄粉除去の方法と、それぞれの特徴についてご説明します。
戸建てに住んでいた時に使っていた鉄粉取り粘土
鉄粉取り粘土はガレージ付きの戸建て住宅に住んでいた頃、ずっと使っていました。
一代前のクルマはガラスコーティングをしておらず、戸建てに住んでいる頃に現在のクルマに乗り換え、ガラスコーティングを施しましたが、どちらのクルマにも鉄粉取り粘土を使っていました。
鉄粉取り粘土はボディを軽く擦ることで付着している鉄粉を取り除くことができますが、注意しなければいけないのは、鉄粉取り粘土にはコンパウンドが入っているものと、コンパウンドが入っていないものの2種類があるということです。
コンパウンド入りのものは研磨効果があるため、ガラスコーティング施工車に使用するとコーティング被膜を削り取ってしまいます。
ガラスコーティング施工車には必ずコンパウンドが入っていないものを使用するようにしましょう。
下の画像は、わたしがずっと使ってきたシュアラスターの鉄粉取り粘土「Clay Cleaner Soft」です。
この鉄粉取り粘土は非常に良く鉄粉が取れ、洗車後のツヤツヤに見えるボディに使っても粘土の表面に赤茶色のサビのようなものが付着していたのには驚かされました。
使用方法としては水を流しながら軽く滑るように擦るのですが、注意しなくてはいけない点が幾つかあります。
まず、作業面に常に水を流すことです。
これでボディと粘土との接触面の滑りが良くなり、塗装面へのキズを防ぐことができます。
次に力を入れて粘土を押し付けるのではなく、あくまでも軽く滑らすように擦ることです。
力を入れて押し付けてはいけません。
押し付けてしまうと、せっかく水を流しながら作業している意味がなくなり、塗装面への攻撃性が高まってしまいます。
また軽く滑らすようにしているつもりでも、粘土が引っかかって動きにくくなる時がありますが、その時には無理に動かそうとしてはいけません。
一度粘土をボディから離し、粘土表面に水を掛け、再度軽く滑らしてみてください。
そしてもうひとつが、粘土を時々練り込みながら作業することです。
鉄粉取り粘土のボディを擦った面には、鉄粉が付着しているので、その面でずっと作業するということは、目の細かなヤスリで塗装面を擦るのと同じです。
時々、擦った面を粘土の中に練り込むようにして、鉄粉の付着していないキレイな面で作業するようにしましょう。
戸建てで鉄粉取り粘土を使っていた理由
どうして戸建てに住んでいる時、鉄粉取りに粘土を使っていたかというと、好きなように水道を使うことができたからです。
前述したように、鉄粉取り粘土は常に水を流しながらボディを擦らなくてはキズが付いてしまいますが、自宅ガレージであれば水をチョロチョロと流しながら作業することができます。
しかもどれだけ時間を掛けても、誰にも迷惑は掛けません。
ボディの状態を見ながら、じっくり鉄粉取りの効果を実感することができたわけです。
コイン洗車場で使っている鉄粉除去剤
ボディに直接スプレーして、化学反応で鉄粉を除去していくタイプのものです。
以前住んでいた戸建てから現在はマンションに引っ越したため、洗車はコイン洗車場でしかできなくなってしまいました。
そんな私が現在使っているのはこのタイプのもので、下の画像が現在使っているKeePer技研の鉄粉除去剤「コーティング専門店の鉄粉クリーナー ボディ用」です。
鉄粉に反応して紫色に変化するので、初めて使うと驚くかもしれませんが、化学反応が起こっているために起こる現象です。
ただし鉄粉除去剤にはボディ用ではなく、ホイール用と説明されているものもあり、このタイプのものは塗装面を痛める可能性があります。
ボディに使用するのであればボディ用のものを選ぶことに加え、必ず中性のものを選ぶようにしましょう。
また使用に際しては目立たない個所に少量を吹き付けてテストしてみることをおすすめします。
なお、コーティング施工車には「コーティング車にも使用可能」と説明されている鉄粉除去剤を使うようにしましょう。
コーティング車にも使える鉄粉除去剤は必ず中性のはずですから、もしアルカリ性や酸性の表記がある場合は注意してください。
紹介した鉄粉除去剤はもう何度も使っていますが、私のガラスコーティングを施したクルマでも全く問題なく効果を発揮してくれており、これを使うとボディのくすみも取れ、水弾きも復活しています。
コイン洗車場で鉄粉除去剤を使う理由
戸建てに住んでいた頃は鉄粉取り粘土を使っていたのに、マンションに引っ越してコイン洗車場で洗車するようになってからは鉄粉除去剤を使うようになりました。
それは水を流しながら鉄粉取り粘土を使えないからです。
ご存知のように、コイン洗車場ではスプレーガンや自動洗車機でクルマを洗いますが、それ以外に水道はあるものの、あくまでも手を洗ったり、バケツに汲むなどの用途でしかありません。
水道にホースをつないで、チョロチョロと水を流しながら鉄粉取り粘土を使うなんてことはできません。
一度、水を流さなくてもボディにキズを付けないようにと、カーシャンプーが付いたままの状態で鉄粉取り粘土を使ったこともありました。
しかし滑りはいいのですが、肝心の鉄粉は水をチョロチョロと流していた時ほど取れませんでした。
そのためコイン洗車場で鉄粉取り粘土を使うことは難しいと判断し、それ以降はスプレー式の鉄粉除去剤を使うようになりました。
コイン洗車場で鉄粉除去剤を使う際のポイント
ではコイン洗車場でガラスコーティングを施工したクルマに鉄粉除去剤を使う場合、どのようなことに配慮しているのかご説明しましょう。
鉄粉除去剤が早く乾いてしまう時には作業しない
鉄粉除去剤は塗布してから数分待たなければ化学反応を起こしてくれません。
もしその間に乾いてしまうとシミなどの原因になってしまいます。
これは鉄粉除去剤だけのことではありませんが、ボディに付着した水滴やカーシャンプーもそのまま乾燥してしまうとシミになってしまいます。
昼間の陽射しが強い時間帯にはボディが熱くなると同時に、水分も乾燥しやすくなるためです。
そのためコイン洗車場には夜に行くようにしています。
またどうしても昼間にしか行けない時には、洗車ブースに屋根が付いているコイン洗車場に行くようにしています。
カーシャンプーを洗い流し、軽く拭いてから使う
鉄粉除去剤は洗車のタイミングで使いますので、クルマは汚れており、砂ぼこりや汚れも付着しています。
鉄粉除去剤はボディに塗布してから、同じ鉄粉除去剤を吹きつけたマイクロファイバークロスで軽く擦ってやると効果的なのですが、洗車前に塗布してしまうと、砂埃などでボディにキズが付いてしまいます。
そのため必ずカーシャンプーで手洗いし、水で流した後に作業するようにしています。
しかしボディに水が付いたままでは、鉄粉除去剤が薄まってしまい、効果も半減してしまいます。
そこで、カーシャンプーを水で洗い流した後、マイクロファイバークロスで水滴をある程度拭き取ってから作業するようにしています。
1回の洗車でボディ全部に塗布しない
鉄粉除去剤を使用する際には、例えばクルマのボディを平面部分と右側側面、左側側面などのように分割して、その一部分だけに塗布し、1回の洗車でボディ全体に使うことがないようにしています。
つまり何度かに分けて作業するということです。
これには幾つかの意味があります。
ますひとつは塗布する範囲を狭くすることで、細部までしっかりと塗布できるようにしたいということです。
また私はスプレーガンで洗車しており、コース選択は水だけのコースを利用しています。
水だけのコースでも手洗い時間が設けられていますが、ボディ全体の水滴を拭き取っていると、手洗い時間をオーバーしてしまいます。
効率的に作業するためにボディを分割し、次回の洗車時に違う個所を作業するようにしています。
十分に水で洗い流す
カーシャンプーで洗車した後に鉄粉除去剤を塗布するので、ボディに鉄粉除去剤が残らないよう、スプレーガンでしっかりと洗い流すようにしましょう。
なおボディを分割して部分的に鉄粉除去剤を塗布するのは、塗布した面積が小さくなるため、十分にスプレーガンで洗い流すことができるという意味もあります。
半年に1回ほどのサイクルで作業する
クルマの駐車場所や走行場所などによって鉄粉が付着する度合いは異なるものの、クルマに鉄粉が降り注いでくることは避けようがありません。
そのため鉄粉除去は半年に1回と、定期的におこなうようにしています。
まとめ
私自身がこれまでおこなってきた鉄粉除去についてご紹介しました。
ガラスコーティングを施工したクルマにも鉄粉取り粘土は使えますし、鉄粉除去剤もコーティング車用のものを選べば問題はありません。
しかし、水を自由に使えるかどうかは除去方法に大きく影響してきます。
是非、これを機会にクルマの鉄粉除去に取り組んでみてください。
きっとクルマはこれまで以上にピカピカになり、愛着も湧いてくるはずです。