メンテナンス
省燃費タイヤに変えるとどう変わるのか
最近のタイヤには省燃費を売りにしているものが多く見られます。
省燃費タイヤは一般的に乗り心地が良く、騒音も少なく、転がり抵抗が少ないために燃費が良くなるといわれています。
私が今乗っているSUVに装着されているタイヤは、運動性能がある程度確保されたモデルです。
しかしそろそろ寿命でしたので、ある思惑から、別のメーカーの省燃費を性能の一つに挙げたタイヤに交換してみました。
交換して乗ってみると、私の思惑通りにすごくしっくりくるようになりました。
どんな思惑で、どんなタイヤに変えたのか、また今までのタイヤとの比較などもご説明しようと思います。
タイヤを選ぶ際の参考にしていただければと思います。
私のSUVに標準装備されていたタイヤ
私のSUVに標準装備されているタイヤはブリヂストンの「DUELER H/P sport」というブランドのタイヤでした。
サイズは235/55、17インチです。
SUV用のサマータイヤで、オンロードでのドライ性能とウェット性能を高めたモデルのようです。
商品名にsportとは付けられていますが、決してスポーツタイヤほどのハイグリップではなく、グリップ性能がまあまあ確保されているといった程度のものでした。
新しく交換したタイヤ
新しく交換したのはピレリの「SCORPION VERDE」というブランドです。
ホイールは純正のままなので、タイヤサイズもそのままの235/55、17インチのものを選択しました。
HPを見る限りでは、ブリヂストン「DUELER」よりも快適性と安全性を重視し、回転時の抵抗を少なくして燃費の向上をねらったコンフォートタイヤとのことでした。
つまりブリヂストン「DUELER」よりもスポーティさを落としたタイヤをわざわざ選択したということです。
コンフォートタイヤに交換した思惑
ピレリの「SCORPION VERDE」に交換したのは、もう少しスポーティーさを落としたタイヤが欲しかったので、試乗レポートもいくつか読み、良さそうかもと思って選びました。
価格もブリヂストン「DUELER」より安かったですが、少なくとも何年かは履き続けるものなので、価格だけが理由ではありません。
私はSUVに乗ったのは初めてでしたが、ブリヂストン「DUELER」を履いて直線を走っている分には満足していました。
問題はコーナーです。
SUVは車高が高く、しかもサスペンションストロークが大きくとられています。
コーナーでちょっとスピードを上げて曲がると、どうしてもロールが大きくなってしまいます。
私の感覚では、ロールが大きくなるなら、タイヤも頑張りすぎない方がぴったりくるのですが、ブリヂストン「DUELER」はちょっと頑張りすぎているように感じました。
タイヤだけで路面に張り付いている感じが強く、その分大きなロールが余計にマッチしないように思いました。
そこでブリヂストン「DUELER」ほど踏ん張らないタイヤを選びたかったのです。
もちろんブリヂストン「DUELER」を選んで、車体のロールを抑えられるよう足回りのパーツをいくつか交換すれば見違える車になったでしょう。
しかしそのためには出費も大きくなってしまいます。
昔ほど飛ばすこともないので、ロールの大きさに合わせたタイヤを装着する方が快適に走れると思ったわけです。
ピレリSCORPION VERDEに交換した感想
ブリヂストン「DUELER」からピレリ「SCORPION VERDE」に交換して、感触はどう変わったのかを説明しましょう。
走行音が静かになった
今までより走行音が静かになりました。
特に良く使うバイパスは路面が荒れていて、まるでパンクしているのかと思うほどのロードノイズがしていましたが、少し静かになりました。
惰性で走れる距離が長くなった
アクセルオフにしてから惰性で走れる距離が伸びているようです。
どのぐらい伸びているのか、状況によっても異なるため正確には分かりませんが、停車する際により遠くからアクセルオフにするようになったと思います。
乗り心地が若干良くなった
今までは路面のちょっとした変化もゴツゴツと伝えてきましたが、ゴツゴツ感が少し優しくなったように感じます。
若干燃費が良くなったように感じる
いつも同じところばかりを走っているわけではないので、正確には分かりませんが、ほんの少し燃費が良くなったように感じます。
ハンドルの初期応答が鈍くなった
今まではハンドルをほんの少し切るだけで、車がすぐ反応していました。
それが少し切ったぐらいでは反応しなくなり、大きく切らなければ車の向きが変わらなくなりました。
つまりダルな運転ができるようになったわけです。
今までより路面に喰い付かなくなった
今まではコーナーでタイヤが鳴るなんてことは、余程スピードを上げないとなかったのですが、新しいタイヤは少し無理な動きをさせると、すぐに鳴るようになりました。
つまり路面に喰い付かなくなったということです。
タイヤによって車の性格が変わった
タイヤを交換してから、最も気になっていたロールとタイヤのバランスは、私にとってはすごく良くなりました。
タイヤが踏ん張らないから無理もしませんし、タイヤのややソフトな感じとロールの大きさがちょうど合っているように思います。
かと言って、飛ばそうと思ったら十分対応できます。
ただしタイヤが助けてくれる許容量は低くなっています。
今までならハンドル操作だけでやり過ごしてしまえた動きが、ハンドルだけでは言うことを聞いてくれない場面もあるわけです。
しかしブレーキとアクセルをしっかり使い分け、荷重に対する意識を持って操作すれば問題ありません。
また高速道路などで、ハンドルをほんの少し動かしただけで車がピクンと反応していたのがなくなりました。
気楽に長距離を走れるようになったわけです。
ゆったりとロングドライブするのにぴったりの車になったように思います。
タイヤの選択で車はガラッと変わる
今回私が選択したのは、標準装備のタイヤからスポーティーさを少し落としたものです。
燃費向上や静かさ、ゴツゴツ感などの改善をねらったわけではありませんが、結果的にはこれらが優しくなった感触はあります。
そのため車そのものが落ち着いた感じのものになりました。
このブログを読んでいただいている方の中にも、標準装備のタイヤから省燃費のコンフォートタイヤに交換しようかと悩んでいる方がいらっしゃるはずです。
コンフォートタイヤと呼ばれるものにも多くの種類があり、全てが同じ性格のものばかりではないでしょう。
微妙に性格が異なるはずですし、年々進化も遂げているはずです。
コンフォートタイヤに交換してまだ間がないので減り具合なども分かりませんが、路面への喰い付きが良いタイヤよりも、減りは少ないはずです。
コンフォートタイヤに交換するメリットはありますが、今のタイヤとどんな違いがあるのかを理解したうえで選ばなければガッカリしてしまうことがあるかもしれません。
私が選んだタイヤだけかもしれませんが、省燃費が期待できるといっても、燃費の向上はわずかのように感じます。
無駄にアクセルを吹かしたり、急なアクセル操作をしただけで、向上した分が帳消しになってしまう程度のものではないでしょうか。
それよりも乗り心地の柔らかさと、ロードノイズの低減にメリットが大きいように思います。
コンフォートタイヤに交換する際には、特徴をしっかりと理解したうえで選択されれば、納得できる結果になるでしょう。