皆さんの車の車内には、食べかすや髪の毛、ゴミなどが落ちていませんか。
そのままの状態で放置していると、ダニが大発生してあちこち噛まれたり、アレルギーを起こしてしまうかもしれません。
そんな車内のダニ対策は、春と秋の時期、特に念入りに行わなくてはいけません。
どうして春と秋が大事なのか、またダニ対策のために何をすれば良いのかを説明しましょう。
どうして車内にダニが繁殖しやすいのか
どうしてダニは車内で繁殖するのでしょうか
ダニが最も繁殖しやすい条件は、適度な室温と湿度であること、そして潜むことの出来る場所があり、エサとなるものがあることです。
また温度は22度から28度程度で、湿度が60%から85%程の時が最も繁殖しやすいと言われています。
クルマの環境を見てみると、クルマは車内のほぼ全ての範囲にカーペットが敷き詰められており、ダニの隠れる場所が非常に多くあります。
しかも雨の日に車を運転すると、濡れた傘や靴、衣服が車内に持ち込まれ、フロアカーペットなどは湿気を含むことになります。
そして車には色々なホコリやゴミ、髪の毛、フケなどが落ちます。
またお子さんのいる家庭では、車内で食事したりお菓子を食べることもあるでしょう。
食べかすが落ちることもあるわけです。
これらは全てダニの栄養源となります。
すなわち車の車内はダニにとって非常に繁殖しやすい環境が整った場所なのです。
ダニにとって厳しい季節がある
ダニにとって繁殖しやすい環境にある車内ですが、実は繁殖しづらい厳しい時期もあります。
それが夏と冬の時期です。
どうして夏と冬は厳しいのかご説明しましょう。
夏が厳しい理由
真夏の昼間、車に直射日光が当たると、車内温度は50度を軽く超えてしまいます。
特に黒いボディのクルマは高温になります。
またダッシュボードの温度は80度近くまで上がってしまうことが分かっています。
ダニは50度以上の時、20~30分でほとんどが死滅してしまうと言われており、60度以上ではもっと短時間で死滅するそうです。
これはつまり真夏の昼間、陽の光が当たる屋外に駐車しておけば多くのダニが死滅してしまいます。
冬が厳しい理由
冬はヒーターを入れて走行しますが、エンジンを切ると車内温度は一気に下がり始めます。
その後、外気温と変わらない温度まで下がっていくため、ダニは繁殖することができません。
ダニを死滅させるのは難しい
ダニにとって夏と冬が厳しいからといって、完全に死滅してしまうわけではありません。
車の中にはシートやフロアカーペットがあり、トランクに荷物を積んでいる場合もあるでしょう。
ダニがシートやカーペットの奥深くに入り込んだり、荷物の奥に入り込めば、高温や低温から逃れることができるケースもあるわけです。
真夏や真冬であっても、全てのダニが確実に死滅するとは言い切れません。
またダニが卵の状態であれば真冬の低温や乾燥にも強く、暖かくなるのを待って孵化してくるのですから、非常に厄介です。
ダニを完全に死滅させ、車内に一匹もいない状態にするのは非常に難しく、条件さえ整えば、短期間に増えてしまうので油断ができません。
ダニ対策は年中必要だが春と秋が特に重要
ダニは、車内に一匹もいない状態にするのが難しいため、基本的にダニ対策は年中必要だといえます。
ただ季節による環境変化を考えると、四季別の対策の目的は異なってきます
春
冬に生き残った成虫、それに卵で厳しい時期をやり過ごし、孵化してきたダニが増えるため、ダニ被害が多くなります。
駆除することが主な目的になります。
夏
快適で、繁殖しやすい春に増えてしまったダニは、真夏の高温で大多数が死んでしまいます。
ダニに噛まれることは少なくなりますが、ダニの死骸を吸い込むとアレルギーを起こす可能性もあります。
ダニの死骸を取り除いておく必要があります。
秋
真夏の高温でも死ななかったダニが、再び快適な気温になって繁殖しだす時期です。
ダニ被害も増え始めるので、駆除しておくことが必要です。
冬
車内にいるダニはあまり活動しなくなりますが、卵の状態で冬を越すものもいます。
春に大繁殖しないよう、卵や生き残っている成虫を取り除く必要があります。
上記のように春と秋はダニが特に繁殖しやすい時期で、油断していると爆発的に増えてしまいます。
ダニの被害を防ぐには一年中対策をとっておく必要がありますが、その中でも最も繁殖しやすい春と秋にしっかり対策をしなくてはいけないということです。
車内のダニ対策とは
車内のダニ対策はそれほど多くの手段があるわけではありません。
車内という特別な環境ゆえに、取れる対策は限られてしまうわけです。
車内のダニ対策をまとめてみました。
夏は時々屋外に駐車(屋根付きガレージの車)
屋根付きガレージで保管している車は、真夏でも車内温度がそれほど上がりません。
ダニが繁殖しやすい環境が長期間続くことになってしまいます。
そこで真夏に時々屋外に駐車してやれば、ダニの大半を死滅させることができます。
昼間に半日程、駐車しておけば十分な効果があるでしょう。
定期的に車内の掃除を行なうこと
クルマに乗っているだけでも髪の毛やフケなどが落ちてしまい、これらはダニの栄養源にもなってしまいます。
定期的に掃除をすることで髪の毛やフケを取り除きながら、ダニの成虫や卵を取り除くことができます。
車のダニ対策は、定期的な清掃が最も重要です。
車内で食事などをしないこと
お子さんのいるご家庭では難しいかもしれませんが、車内で食事やお菓子などを食べないようにすると食べこぼしもなくなり、ダニの栄養源が少なくなります。
もし車内で食事をした場合には、早めに掃除するようにしましょう。
ダニ取りシートを効果的に使う
車内のダニはフロアカーペットやシートなどの表面にいるとは限りません。
特に毛足の長いカーペットなどの場合、奥に入り込んでいるため、掃除機で吸引しても取り除くことは難しいのが実情です。
ダニ取りシートはダニが好む匂いによってダニを誘引するもので、粘着シートで引っ付けて捕獲するタイプのものと、ダニの水分を奪って死滅させるタイプの二種類があります。
即効性はそれほど期待できませんが、時間をかければ確実に効果があり、車を傷めることなく効果的に駆除できます。
燻煙する薬剤は使用NG
ダニを退治するためのバルサンやスプレーなどの薬剤が売られています。
これらは家の中で使用することを前提に作られており、クルマで使用することは考えられていません。
クルマの中のダニ退治にこれらを使えば良いと思われるかもしれませんが、クルマのスペースは家よりもはるかに狭く、エアコンフィルターに薬剤が付着してしまいます。
エアコンを作動させる度に薬剤を吸い込むことになってしまうため、健康被害が出る恐れがあります。
またクルマには精密機械が多く使用されています。
ダニ退治の薬剤は精密機械の故障の原因にもなってしまいますので、使用してはいけません。
ダニ対策で最も重要なのは車内の掃除
車内のダニ対策として最も重要なことは、車内の掃除です。
キレイに掃除しておけばダニの栄養源は少なくなり、掃除機でダニそのものも吸い取ることができるはずです。
直接的にダニの繁殖を抑えることができる有効な手段です。
もちろん、車内がキレイなら、運転していても快適です。
定期的に車内は掃除するようにしましょう。
またダニ取りシートは時間がかかるものの、掃除で駆除できないダニを死滅させることができます。
掃除とダニ取りシートの両方で、ダニ被害のない快適な車内にしてください。
なおダニ対策になる具体的な掃除方法は「車内のダニ対策になる掃除とダニ取りシート」をご覧ください。